第一章

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「気持ち良いだろ? 抜いてやろうか」  鏡越しに全てを見ていた廉佳が、耳元で甘い誘惑を囁く。  だがそんなことまでさせる訳にはいかない、と頭を小さく横に振った。 「遠慮しなくて良いんだぞ。千世が気持ち良くなってくれてんの、嬉しいし」  それはBLのモデルとして、という意味だろうか。可愛いと言うのは、自分が絵になるから?  想いを馳せる人に触られてどうしようもなく感じているのに、廉佳の気持ちは千世に向いていない。一方通行の歯がゆい気持ちは、出口を求めてだんだん喉の方へと登ってくる。 「ほら、お前は何もしなくていいから」  ズボンのホックを外され、その下に廉佳の手が潜り込んでくる。彼の温度を下着越しに感じて、千世の体温も一気に上昇した。  その手をどけようとしても身体が思うように動かず、焦っているうちに下着をずり下ろされてしまう。
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