第一章

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 誤解しないで。怒っているんじゃない。廉佳のことが理解できなくて、自分の気持ちすら満足に伝えられないことが情けなくて、頭が一杯一杯なだけなんだ。  それを、子供の様に泣くことでしか表現できない。 (駄目だ。このまま勢いで言っちゃいそう) 「昨日も、怖かったしすごく恥ずかしかったけど、廉佳さんに嫌われたくなくて頑張ったんだ」 「そっか、ごめん。でも俺、そんなことでお前を嫌いになったりしないぞ」 「そ、なこと…知ってるよ。廉佳さん優しいもん。それを知ってても、好きな人に嫌われたくないって思うのはどうしようもないんだよ!」  ああ、終わった。
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