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千世の脳内で、積もり積もった気持ちが一つずつ弾けていって、それは次第に大きな塊に点火して爆ぜてしまった。
今まで廉佳に『好き』の気持ちを伝えなかったから幼馴染みでいられたのに。彼は多分、もう千世を普通の眼では見てくれない。
それでも、底に穴が開いた桶から水が零れるように、千世の衝動も止まらなかった。
「好き。廉佳さんがずっと好きだったんだ。会う度にどきどきして、これは恋なんだって思ってた。それなのにこんなことするなんて、廉佳さんは酷いよ!」
「千世ごめん、俺、お前のこと何も分かってやれなくて――」
「僕は……僕は廉佳さんが好きだから、こんな形じゃなくて、もっとちゃんと向き合いたかった!」
「あ、おい千世!?」
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