第一章

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 泰志の告白に戸惑って今朝から無視し続けていたことは置いておくにしても、幼馴染みの家に行くことくらい千世の自由だ。  開き直った千世は、何を言われても自分は間違っていないと伝える覚悟を決める。 「――自覚が足りないんだよ、千世にぃは」  だが告げられた言葉は不可解なもので、どうにも腑に落ちない。何の自覚について問われているのだろう。 「こっち来て」 「た、泰志!?」  肩を肩に手を添えられたかと思うと、そのままぐいぐいと押されて階段を上らされる。泰志の部屋に向かっているのだということはすぐに分かった。きっと二人きりで話がしたいのだろう。  部屋に入るなり扉の前に陣取って逃げ道をなくした泰志の眼つきが、心なしか冷たい。
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