第一章

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「ねえ。俺今朝言ったよね、千世にぃが好きだって。それなのに廉にぃのとこ行くとか、あり得ないんだけど」 「廉佳さんのことそういう風に言わないでよ。泰志だって、廉佳さんとは昔からの付き合いなんだから、信頼できるでしょ」 「まあね。廉にぃのことは良いお兄ちゃんだと思ってるし、仲良くしたい。でも千世にぃのことに限ってはそうもいかないんだよ」  苛ついた声で言われ、さすがに千世もかちんと来る。 「廉にぃのとこ行って、昨日みたいなことされなかった?」 「………」  千世がふて腐れて頬を膨らませていても、泰志に諦めるという気持ちはないようだった。 「ごめん、言い方間違えた。昨日みたいなこと、されたんだよね」
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