13人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
【16】 真実の望み
「銀砂」
自分の名を呼んだその声に肩が震えた。…面白い。この僕が恐れているというのか。
破壊と廃滅だけをもたらす光の雨が降る。深い絶望の闇が全てを呑み込む。
放たれた光の竜と闇の竜が、互いを喰らいながら炎上して消えていく――――――互いの核心だけを目指し飛び交う光と闇。容赦など存在しない。確実に冷静に、相手を消滅させることにのみ力を向けた。
なのに彼は僕を呼び、そして僕もまた、それに応えた。
一体この戦いは、何故の――――否。何の為の、ものなのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!