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僕の名を呼んだ後、阿梵詭は長いこと錯迷していた。僕には、その迷いが何なのか分からなかった。
長い時を経て、その迷いはついに目を開いた。
「銀砂。お前の真実の望みは何なんだ」
―――――与えられた、一つの問い。
僕は知っていた。自分に必要なのはその問いの答えなのだと。――――――いや、その答えならずっと昔に出したんだ。間違いばかりを信じていた時、その間違いの一つとして、その答えも出していたんだ。今では、それが間違っていたのか否かも分からず全てを投げ出してしまったけれど。
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