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カズくんは意地悪なばかりじゃない。
私の立場というものを考えてくれる唯一の人かもしれない。
旦那様の彼氏だけど。
旦那様は私がどんな複雑な気持ちになるのかわかってはくれない。
カズくんの話ばかりする。
カズくんが本当に好きなんだってわかるけど、また襲ってしまいたくなる。
「カズくん、頭いいもん。カズくんのおかげで受験なんて簡単だよ」
聖也くんがもとから頭いいのは入ってない。
「カズくん、モテるんだ。男にもモテてくれるからムカつく」
聖也くんもモテモテなことはどこかに消えてる。
「カズくんのセックス、本当にすごいんだよ。でもいちごちゃんには絶対あげない。カズくんがめずらしく女の子のこと気に入ってるのはわかるけど」
私をライバルにしないでほしい。
私は聖也くんの嫁だ。
カズくんのことになると聖也くんはとても女々しくなる。
「ちょっとカズくんっ?家庭教師サボらないでっ。今すぐきてっ」
なんて私の前で聖也くんはカズくんと電話。
「他に相手がいるからじゃないの?僕のことは放置?」
なにかケンカをしてる。
かわいいだけならいいけど、男の子なのにそんな女々しいこと言わないでほしいと思いながらも聞いていた。
「嫉妬なんていつもしてるよっ。いちごちゃん差し出せばくるとか言わないよねっ?カズくんのドSセックスがいちごちゃんの初めてになるのは許してあげない」
私を話題に入れないでほしい。
ただでさえ、私はどうすればいいのかわからない。
聖也くんは電話を切ると、イライラした様子でベッドの上に携帯を投げる。
ケンカはやめてほしい。
「聖也くん、ちょっと男の子に戻ったほうがよくないですか?中身、女の子になっちゃってますよ」
私はやんわりとこのケンカの解決策を出してみる。
「いいんだよ。僕は高校を出たら豊胸手術して半分女になりたいんだから」
聖也くんは不機嫌なまま私に言ってくれる。
ニューハーフになるつもりだったらしい。
きっと綺麗なニューハーフになるだろう。
「半分だけなんですか?」
「ホルモン手術もしたいよ?タマとって竿だけ。女の子みたいな体になりたいし」
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