別れ

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「イチゴ柄ないかな。着せたい」 「僕もイチゴ柄がいいと思う。ピンクと白ので。コットンで。でもレースいっぱいのフリフリなの。胸小さいからボリュームあるブラがかわいいと思うんだ」 「イチゴ柄ばっかり集めよう」 「それもいいね」 もしもし?お兄さん方? 私にイチゴばかり考えて盛り上がるのやめて? 「私もセクシーなの着てみたい」 ちょっと口を出してみた。 「うん、いいよ。色は赤いので。いちごちゃん、赤とかピンク似合いそうだよね」 聖也くんはいくつ私の下着を買うつもりなのか。 そんなにたくさんいらない。 あと苺だから赤って思われていそう。 私はなぜか背が高くてかっこいいお兄さん二人と下着屋さん。 恥ずかしげもなくお兄さん二人は私に合わせる下着を選んでくれちゃう。 「寄せてあげても小さいな。ロリ体型」 カズくんには私の胸のサイズを見てそんなことを言われて。 「セクシーなのはもう少しあとがいいかも。こんなの着ていても僕、そそられそうにない」 聖也くんにはセクシーなのを除外される。 早く大人体型になりたい。 胸大きくしたい。 豊胸手術したい。 下着をたくさん買ったあとは服屋さん。 いろんなお店であれもこれもと私に合わせて買ってくれるお兄さん二人。 私はマネキンのように飾られる。 靴も靴下も鞄もアクセサリーも。 お金持ちだった。そういえば。 お金の使い方、私とはまったく違う。 「服ならこういう少し大人っぽいデザインもかわいいね。最初に見た白いワンピースに麦わら帽子っていうのもかわいかったよ。いちごちゃん、かわいいからなんでも似合う」 「ズボンの裾丈切りすぎくらいに切るからデザインパンツ似合わないけどな。スカートか短パンだな、やっぱり」 私の服を選んでいる二人のお兄さんは家を出る前の雰囲気もどこへやら。 楽しそうではあるし、好きにしていただいている。 私はペットでいいかもしれない。 聖也くんを下手に悩ませたくもない。 カズくんと仲良くしていることに、私は嫉妬したりしない。 結婚という契約。 ペット契約にならないだろうか。 新しい服を着て、大量の荷物を持ったかっこいいお兄さん二人と歩く。 「あ、忘れてた。髪も。美容室」 「荷物置いてからにしろ」 かわいがっていただけている。
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