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麻紀は片付けをしながら、今週会える信司の事を考えている。今頃、信司も奥さんと食事をしているだろうか。子供のいない信司夫婦の食事とはどんなものなのだろうか。信司の事を考えると少し胸がキュンとする。
１１月最初の水曜日、伊勢丹の「ル サロン ジャック・ボロー」で待ち合わせた。先に来ていた麻紀はワインを飲みながら信司を待っている。デパートには既に冬物が出始めている。麻紀は１時間以上前に来て、色々と見て回っていた。このような楽しみも信司が教えてくれた。
入口から人が来る度に、視線を向ける。
約束の時間ぴったりに信司がやってきた。
麻紀は大きく手を振った。
それを見つけて、信司も軽く手を振り、微笑みながら近づいて来た。
水曜デートの始まりだった。
完
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