信司

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水曜日に、月2回程度のペースで会っていた。子供が塾から帰ってくる夕方には家に戻るので、昼間だけの逢瀬だった。夜に会いたかったが、その機会は中々無かった。 9月になっても、まだ、暑さが残っていた。 「早く、もっと涼しくならないかな。この間の服、早く着たい。買ってもらった服、クローゼットの中に隠してるの。書道の時や友達と会うときに23区のワンピースを着て行ったら、みんな驚いてた。イメージが全く違うって。明るくなった感じがするって」 「それはよかった。女性を輝かせるのは男性の役目だものね。」 景子が信司にアタックしたい、と言った気持が今なら良く判る。景子には悪いが、景子に取られなくて良かったと思う。信司の奥さんが信司を拒んでくれてからこそ、今付き合えていると思うと、奥さんにも感謝したかった。 「でも、夫が帰ってくるかもしれない18時までには家に戻って着替えるの」 「帰ってくるのは、いつもそんなに早いの」 「ううん、いつもはもっと遅いけど、時々、18時頃に帰ってくる。それより早く帰ることは無いわ」 「まるで18時のシンデレラだね。じゃあ、11月になったら今度は冬服を買おうか」 「ホント? 嬉しい!」
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