ー Red Notice ー

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 こんなにも誰かを強烈欲したのは、生まれて初めてだった。レンの小さい呻き声を聞きながら、奏真は身を震わせて登り詰めた射精欲を吐き出した。一瞬、あまりの気持ち良さに目が眩む。ともすれば眠りに落ちてしまいそうな意識の中に、やんわりとレンの甘い囁き声が響く。 「ゴメンね、ソウ。初めてだったのにムリさせて。もっと優しく抱いてあげたかったんだけど、あんまり君が可愛い反応するから、自制できなくて」  喉がカラカラで、うまく声が出て来ない。それでも渾身の力で怒りを声に込めると、奏真は覆いかぶさる麗人に抗議した。 「…少しは、遠慮、しろよ…っ」 「ハハっ、ごめんごめん。次から気をつけるよ」 「わっ、キスなんてするなっ。早くどけろってばっ」  ケラケラ笑う麗人に、反省の色は欠片もない。このやり取りすら楽しそうに笑いながら、あっちこっちにキスをしてようやく、レンは奏真の中から身を引いた。それでも獲物を手放すつもりはないらしい。すぐさま奏真を抱き締めると、汗ばんだひたいに愛しげなキスを落とす。
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