エピソード1 その1

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エピソード1 その1

 少女との見交わしは、焼き上がるパンのように胸が熱くふくらんだ。  白き貴石のエクステと、レースのリボンで髪を結わえた可憐な少女は、薄紅色の民族衣装を身にまとう。  その姿は今までに見たどの異性よりも愛らしく、遠く異国の高貴な生まれを想像させた。  八楽若(ヤラワカ)学諭(ガクユ)のお腹をまたいで座り、じっと見つめる見知らぬ少女。  少女の瞳は青かった。
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