エピソード1 その1

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 桜花に埋もれて地のひとひらになってしまいたいと思えるほど日差しは暖かく、吹き抜ける風はジャムと紅茶のように甘酸っぱい。  文化部や運動部の喧噪は、木立のさざめきを通してやわらかいメロディーになる。  高校の中庭にある公園は春爛漫だ。
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