その3

4/13
前へ
/257ページ
次へ
 学諭と実留々は妙な因果か、小さな頃から悪ガキ仲間の遊び相手だ。高校生となった現在も、ふたりは挨拶無用の殺伐とした融通が利く間柄なのである。 「消費期限切れの弁当よこせ。ふたつ以上な」  実留々の隙を突くように、学諭は背後から声をかけた。 「だれ? その青い瞳の女の子っ」  実留々は学諭の言葉に見向きもしないで、振り向き様にゆるシアを指さした。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加