第十七話 危ない来典者 ①

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……飛空挺ウィング…… 飛空挺ウィングでは、ロックとエリスが前夜祭出席の準備をしていた。 ドレルで購入した朱色のドレスを身に纏ったエリスは、フリースペースある姿鏡を満足げに見ていた。 エリスの姿はそれは見事なものであり、派手すぎないドレスと、首に掛ける真っ白なファー、エリスの綺麗な金色の髪が見事にマッチし、それは美しいものであった。 「パーティーに行くならこれ位の格好をしなきゃね……」 エリスの姿に、バルバル夫婦のカレンは、感心そうに言った。 「似合ってるじゃないかい……」 「へへ……ありがとう……」 カレンにそう言われて嬉しかったのか、エリスの表情は照れた感じだ。 「ふむ……いつもと違い落ち着いた感じだな……」 ジンも感心そうに眺めていると、フリースペースにロックがやって来た。 やって来たロックの姿に、エリスは驚いた表情をした。 「やだ……ロック……似合ってる……」 エリスの瞳に写るのは、いつものチャラけたロックではなく、黒いスーツに中は臼青いシャツ……赤いネクタイをキチッと絞めたロックが、右手に刀を持ってそこに立っていた。 「何年ぶりだ?スーツ着んのは……」 ロックは少し感慨深い表情をしている。 「こうしてると、いつものいい加減さがないね……」 エリスの言葉にロックは口を尖らせた。 「テメェ……俺の事を何だと思ってんだ?」 ジンがロックに言った。 「どうだ?その姿は?」 ロックは吐き捨てた。 「けっ……今日だけだぜ……こんな格好はよぉ……」 するとリキが、ロックの刀を指差して言った。 「刀はダメだぜ……」 「そうだったな……ジン、預かっといてくれ」 ロックはそう言うと、刀をジンに放り投げ、ジンはそれを上手くキャッチした。 エリスは不安な面持ちでロックに言った。 「大丈夫なの?刀なくて……」 「捕まえるだけだろ?どうにでもなるよ」 ロックにさほど気にした様子はない。 そんなロックにリキは言った。 「しかし、簡単にいく相手でもねぇぜ」 ロックはリキの心配を鼻で笑った。 「へっ……だから面白れぇんだろ?」 ジンは諦め顔でリキに言った。 「言っても無駄だ……」 リキは呆れた様子で言った。 「みてぇだな……」 ロックはエリスに言った。 「んじゃ、そろそろ行きますか……」
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