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ようやく一週間が終わった。明日の日曜、宏之は休みになっただろうか。時間は深夜だから日付は日曜に変わってしまっている。玄関をあけると、灯りがついていた。
「おかえりなさい」
「宏之?」
抱き締められて、キスがおりてくる。あっという間に満たされていく身体と心。力を抜いて寄りかかると「お疲れ様でした」と言葉をくれる。
「ただいま」
「碧さんの顔をちゃんと見るのは久しぶりです」
「本当だね、君の日曜日が2回もつぶれてしまったから、寝ている宏之にしか逢っていない」
「俺もです」
宏之に話をしなくてはならないけどあとでいい。今は欲しいものを優先させよう。
「碧さん……あの、帰ってきてそうそうに申し訳ないですが」
「君はもう大丈夫なの?」
両手で頬を包まれ、おでこにキスをされる。
「ばっちりです」
「じゃあ、シャワーをすませてくるよ」
「あなたが足りなくて窒息しそう。早く戻ってきてくださいね」
もちろんだ。たぶんわたしのほうが足りていない。
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