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「じゃあ、もっとわかりやすく言います。あなたに何か起こり俺が交換条件、それで碧さんが助かるとします。そして俺はいなくなる。あなたはまた一人ぼっちになる。 俺はそんなこと絶対できない、あなたの傍にいるって決めたから。 桜沢さんでも、一生足かせに縛られる生活になってもいい、どんな手を使っても、あなたを救い出します。ただし、自分を犠牲にする方法だけは選択しない。 足をもがれようが、腕がなくなろうが、碧さんが生きてさえいてくれればいい。俺の言っている意味わかりますか? 約束です!自分を犠牲にする方法だけは絶対ナシです!」  優しくて強い……わたしの男。 「桜沢さんは、俺が碧さんの手を離したら、あなたが壊れると言いました。俺も同じです。あなたを失ってしまったら……俺は壊れます」 「宏之……ごめん」 「うう……くっ、うう」 「あああ、ごめんね。また君を泣かせてしまった」 「あなたを失ったらって想像しただけで、こんなに悲しいのに! それなのに! 約束できない!って!ひどいよ……ひどいよぉぉ!!」 「ごめんね。ああ、泣かないで」  首にかじりつくように抱きつく。君を怒らせた……そして傷つけてしまった。 「約束してください。出来ないなら……ここで俺を捨ててください」  重なっていた二人の胸が離れる。宏之がわたしを引きはがしたから。涙でぬれた頬を震わせ、冷たい瞳がわたしを睨みつける。 「今なんと?」 「約束できないなら、俺を捨ててください!」  噴きあがる怒り、渦巻く絶望。なにを言いだす? 「傍にいると言ったのは宏之だ!」 「約束できないってことは、俺がいなくなっても碧さんは耐えられるってことです。それは俺の気持ちと一緒じゃない。一緒じゃないなら意味はない。そう思いませんか。 俺がいらないなら、俺がいなくても平気な程度なら、今ここで捨ててください!」 「わたしのものだ!誰にもやらない!」  無理やり口を塞ぎ、下唇に歯をたてる。捨てろだと?今更だ、何を言いだす!
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