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 1時間ほどまどろんで、宏之は目を覚ました。伸ばされる手を受け止めて指を絡めて、しっかり握る。 「ごめんね。君を壊してしまうところだった。身体は大丈夫?」 「たぶん。すごく怠いし、アソコには何か挟まっているみたいな感じ……です」 「君を泣かしたのはわたしだというのに、また無茶をしてしまった。 時々タガが外れて、止まらなくなる」 「謝るのは俺です。ごめんなさい。捨ててくれなんて二度と言いません」  こみ上げてくる愛おしさに胸が震えてとまらない。君はわたしをこんなに夢中にさせて狂わせる。いつか本当に殺してしまうかもしれない。それくらい湧き出す衝動はわたしを支配し、宏之を征服しないと収まらない。  宏之は顔をしかめながらムックリ起き上がると、わたしを見下ろした。 「碧さん?ゴロゴロするにしてもこれじゃね」  乾いた白濁、白い肌に散る鬱血のあと。これでは人前で裸になるのはしばらく無理だ。それをしたのが自分だという歓び。また欲望の火種がくすぶりはじめる。 「碧さん、もう今日はダメです。これ以上されたら後ろが破けますから!」  宏之が初めて逃げをうった。そのまま浴室に走っていく。走れるなら大丈夫だよ。ひとりにされたので、シーツをはがす作業を始めることにした。  後ろが破ける?  試してみようか?と言ったらどんな顔をするだろう。そう考えたら見たくなる。宏之のあとを追いかけて浴室を襲撃した。
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