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「その何日かあとです。電話してきて、吉川に逢わせろ!ですよ。
吉川は、波多家さんに客を取らせる目的で見込み客を従えて部屋にいき、その男達の前で波多家さんをレイプした。たぶん推測するに、その男達にもいいように弄られたでしょうね」
どうしてだ!どうしていつもこうなる?欲に支配された人間はどこまで暴力としてのSEXを強要するのか。
「ゆきちゃんの電話は夜でしたから翌日15:00に吉川と対面することに決まった。
その間に、不動産と貸倉庫をつきとめ賃貸契約書のコピー、大家の証言を録音。波多家さんの痛々しい数々の写真と診断書。波多家さんの預金通帳のコピー。おおまかな経緯。
住んでいた殺風景な部屋の写真データをPCに送信するために、一足早く待ち合わせ場所にあがりこんでいました。」
どうりで斉宮が肩入れするはずだ。
「おまけに桜沢をみても腰がひけるどころか全然折れも曲がりもしないで、言いたいことを言う。その時の私と桜沢のやりとりで、あなたが沢木だとわかったのでしょう。
芳樹に私が話をしました。私の話を真に受けて、桜沢の地道な調べが証拠になった褒めたぐらいです。吉川は肥溜めにドボン、当然です」
わたしが佐藤に逢わなければ起こらなかった事すべて。それはわたしだけが陥った罠だと思っていたけれど、わたしのような人間が他にもゴロゴロいるということだ。やりきれない。加害者は皆『sin』に落ちて暴力を受ける側になればいい。
自分の部屋に帰ったのに寝る気がしない。ゆきちゃんとシュンが二人で抱えている物に心がざわめく。さらにこの間の話しだと、また厄介事がもちあがっているらしい。
電話をくれるだろうか。相手が何者かわかれば、わたしにもできることがある。回避する方法がどこかに転がっているはずだ。
そんなことを考えていたら外が明るくなっていた。4:00すぎ。
眠れる場所に、暖かいところに行こう。この時間にいけば、「おはようございます」と言ってもらえる。「おはよう」とキスを貰えれば、安心して眠ることができる。
着替えをして、宏之のところにいこう。
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