離したくない

13/15
前へ
/15ページ
次へ
「こんな所から出てきて何してるんですか?」 顔をあげれば見えてきた茜の冷めきった瞳。 「あか……夕凪」 「ふーん。やっぱそういう関係なんだ。すごあね、茜」 さっきまでは何も発してなかった塚田も頷いてる。 なにがすごいというのか。 「元太くん……」 希映が塚田の隣に移動する。 「どうしました?流山さん」 「あの、竜とはなんでもなくて……」 「いや、俺には関係ないですよ?」 あっかからんとしてる塚田。 でも、塚田は本来こんなやつではない。 「関係なくないだろ。塚田」 俺は塚田の肩をポンッと叩く。 「須坂さん?」 「ちゃんと話したほうがいいぞ」 塚田を希映に向き合わせる。 「そんで夕凪は俺とちょっと行こうか」 茜の腕を掴んで歩き出す。 「え!?ちょ……」 茜は俺の腕を振りほどこうと必死だ。 この際どっちでもいい。 例え別れようとしてるとしてもいい。 話をしないことには何も出来ない。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加