離したくない

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「そ?須坂さ、夕凪さんのこと好きだろ?」 「は?」 部長の質問に俺の思考は停止して、それ以上何も言えなくなる。 「別に好きになるななんて言ってないんだから、いいんだよ」 「は、はぁ……」 バレないようにやってきたつもりだったのに、部長には本当に構わない。 「見るところ、一目惚れだろ?」 「はい?」 「だって〝俺が教育係やりたいです〟なんて須坂が言うの珍しいじゃん」 「あー……」 失敗したと心底思った。 でも、俺以外が茜の教育係なんて耐えれないし。 「な?そうなんだろ?」 「たしかにそうですね」 「まぁ、教育係終わっても夕凪のフォローはお前にさせるから安心しとけ」 俺の肩をポンッと叩く。 「はぁ……」 教育係終わるからなのかな。 茜が別れを切り出そうとしてるのは。 タイミング的にもバッチリで。 もしかしたら茜は初めからそのつもりだったのかもしれないと、思えば思うほどそうに違いないと思い始めてくる。
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