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聞きたいけど聞けない
知りたいけどわからない
目が落ちてしまうんじゃないかと思うくらい泣いていた時、
いつものように隣に居てくれた彼が、
「愛してる」
突然くれた言葉は
好きでも嫌いでもなかった。
愛してる
私の目が初めて映した灰色は、とても優しい灰色だった。
あれから、10年近くが流れ、
相も変わらずパンダな私に、彼はいつも灰色を見せてくれる。
好きでも嫌いでもない。
白でも黒でもない。
柔らかいと言っては抱きしめてくれ
離れるなよと言っては人混みの中、手を引いてくれる。
二つしかない私に
たくさんの灰色を教えてくれる。
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