0人が本棚に入れています
本棚に追加
寒いから抱きしめてくれるんじゃない
手を繋ぎたいから繋ぐんじゃない
抱きしめてくれる理由も、手を繋ぐ理由も一つじゃないと、彼は教えてくれる。
私はわかったふりをして頷いて見せるけど、
「わからなくてもいいよ」
彼は、優しく触れてくれる。
いつまでも灰色になれない私に
「そのままでいいよ」
彼は、笑ってくれる。
私は灰色になりたい。
白でも黒でもない言葉を彼に言えたら、とても嬉しいから。
相も変わらずパンダな私が彼に言える言葉は、とても少ない。
ただ、繋いでくれた手をぎゅっと握るだけ。
離れないで
一緒にいて
いつか、優しい灰色で、それが伝えられたら。
私は とても嬉しいから。
最初のコメントを投稿しよう!