さいかいは悔恨と安堵

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 両手を腹の下で重ねて目を閉じると了承する。  親指をクイっと向けて少し離れた場所へと誘導した。決闘でもするつもりか? 「君ら三人はとっても納得行ってないみたいね」  君らっても明らかに年上だけど、軍隊でそれは関係ない。今はそんな感じじゃないけど。 「どうだろうな。俺が指揮してたら第二は負けなかったはずだ、あんな不意にな」  実際護衛対象の奪取では優勢だった、負けたのは小隊の責任ではない、そう思っている。  残りの二人もそうだ、クラス分けされてはいるけどどうやら友人らしい。 「そうね。なら答えを出すのも簡単よ、三人であたしに掛かって来て土をつけられたら言い分を認めるわ」 「後でほえ面かくなよ。これは私闘じゃなくて訓練だ、良いな」  周囲の候補生を証人に仕立て上げる、そういう性格は好きじゃない。 「いくら何でも三対一は公平じゃない――」 「良いのよアリス、彼らは本気なの、あたしは本気には付き合うって決めてるから」  さっきも聞いた言葉だ、フラウさんは公平に扱っているってことか。邪魔なんて出来ないよなそう言われて。
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