さいかいは悔恨と安堵

64/69
1847人が本棚に入れています
本棚に追加
/669ページ
 こんなところに置いといたら間違いなく廃棄になる。あのエックハルトってやつを真っ先に叩けば退くか? 取り巻きが邪魔だな、一撃じゃ無理だ。  上手い事守れるように位置取りをしている、護衛兼ってやつか。どこかに隙があれば! 「しつもーん。エックハルトさん、アリスだけが狙いで他はアウトオブガンチューでオーケー?」 「なんだテメェは、さっきからうるせぇな。んなもんまとめてシバき倒すに決まってんだろ!」 「えー、他の客に迷惑かける気?」  テーブルに頬杖ついて半眼で気の抜けた声で喋る。フラウさんなにしてるんだよ、早く逃げないと。 「ここに居たのが運のつきだ、諦めてやられるんだな!」 「あらそう。あたしらもまとめてですってー!」  急に大きな声を出して訳の分からないことを周知する。どうしたんだ? 「フラウさん、私が不意打ちして道を作ります、逃げてください」 「ふふ、大丈夫よアリス。あなたの気持ち嬉しい、本気でそう言ってくれてるの伝わったわ」  にこにことしてこっちを見ている、そんな状況じゃないんだけど。  じりじりと包囲を狭めて男達が迫る。
/669ページ

最初のコメントを投稿しよう!