さいかいは悔恨と安堵

65/69
1847人が本棚に入れています
本棚に追加
/669ページ
「ゴメス!」  後ろの方であのネーさんの声が聞こえる。振り返ると足を組んで椅子に座ったままだ。  どこからか褐色の肌をした四十代位の黒いスーツを着た男がやって来て、ネーさんの隣に立つ。 「お呼びでしょうか、プロフェソーラ」  プロフェソーラって教授だったっけ、あのネーさん先生だったんだ。 「おい、そこの腐れチンピラ! どうするって!?」  ちょ、この状況で何威圧してるんだよ!  でもチンピラってバッチリはまるよそれ。 「ぁんだババア! 吠えんなよ!」  あ、こめかみに血管が。本当にああなるんだ、初めて見たよ。 「そいつはあたしに喧嘩売ってんだよな? 三下が身の程も知らずに突っ掛かるのかい」  うぉ、貫禄が違う、何なんだよあの先生。  それより私はもういいの? まあ良くはないだろうけどさ。フラウさん、どうしてそんな落ち着いてるのかなー? 「俺はエックハルトだぞ、解ってて言ってるんだろうな!」 「知るか、このチンカス野郎が! やれるもんならやってみな!」  すげー! 先生凄すぎるって!  一部放送を規制しなけりゃならない言葉が似合いすぎ。  でも多勢に無勢は変わらない。魔法使いが三分の一も居たら勝ち目はなさそうだ。
/669ページ

最初のコメントを投稿しよう!