さいかいは悔恨と安堵

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 腰の後ろから拳銃、右手にはそれぞれが光モノを持って大勢が戦闘態勢に入る。 「フラウさん、エックハルトを真っ先に叩いて混乱する間に逃げましょう」  小声で提案する、これしか道はないはずだ。 「もし二人で戦うならあたしもそうすると思うわ。でも大丈夫って言ったでしょう」  何がどうして大丈夫かの説明はない。それを飲み込めってなら大変な話だぞ。  でも落ち着き払ってるってことは、何か手立てがあるんだろうな。  気体装甲だけ準備して待つか?  視界を広く持って警戒だけは続ける、どこかで始まれば一気に動くはずだ。 「ネウェモゥト アサシネート!」  黒いスーツの男が声を張る。  直後、連続する銃声がカフェテラスを襲った。ひざ下を狙って銃弾が飛び交い、気体装甲にガンガンぶつかりあらぬ方向へと弾かれていく。  機関銃かよ! 一体どうしてこんな街中で掃射してるのか誰か説明してくれ!  魔法を使えない襲撃者が一斉に倒れた。選別の意味を含んでいるのか、無傷で残って居る二十人程のチンピラに相対するように、黒のスーツを着た男たちが急に現れる。  な、なんだ!?
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