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「そうね、んじゃお先ー」
手をひらひらさせて、倒れている男たちをひょいひょいよけて店を出る。
どういうわけか呼び止められることはなかった。一つ心に決める、学校の先生に逆らうのは止めようってことを。
馬は後で返して貰うことにして、タクシーを捕まえて兵営に帰る。
門番が帰って来た二人に一秒ほど視線を送ると、また正面に向き直った。
「はい、到着。ただいまっと」
デパートの紙袋片手にやれやれな休暇が終わったことを噛みしめる。
「今日はありがとうございました」
色々おごってもらった上にあんな迷惑までかけちゃって。半分は自分のせいじゃないんだけど、事実だから。
「いいのいいの、また一緒に行きましょ」
ご機嫌でそう言ってくれるのは凄く嬉しいけど、あんまり危険に巻き込むような真似はしたくないんだよ。
「私と居たら色々不都合があるみたいなので、これっきりってことで」
「アリス、聞いて」
急にそんな真面目な顔になってどうしたんだよ。
「アリスは危急にあって身を挺してあたしを逃がそうとしてくれたわ。自分のことよりも他を優先して。本気には本気で付き合うって言ったの覚えてるかしら」
「はい」
そんなこと言ってたよな、それで男子候補生と戦った時もきっちり自身の言葉を守ったのも覚えてる。
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