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「あたしは何があっても全力でアリスを守るわ。アリスがそうであったように、あたしもそう在るわ」
紅い瞳に吸い込まれそうになる、フラウさんは心の底から言ってるって解るよ。
だからって巻き込んじゃダメだ、拒否するわけにもいかないけど。
「……気持ちだけ受け取っておきます。危ないと解っていて甘えるようなこと出来ません」
しっかりと線引きをしておかなきゃダメだ。いつ全てを失うかなんて解らないんだから!
数秒の間、二人は互いの瞳を覗き込み沈黙する。
「全く誰かに似て頑固なのね。でも良いわ、その時が来るまで待ってるわ。どうしてもって時はあたしを呼んで、ミラウって」
ミラウ? どういうことだろ、でもそれが鍵になるってことだよな。
「はい、そうします」
右手を差し出して来る。それを握って笑顔になると、急に引っ張られる。
「あっ!」
背中から抱きかかえられるような体勢になった。耳元でフラウさんが囁く。
「浮気しちゃいやよ」
「そ、そういう関係じゃないですよね」
いつもの感じに戻ってくれてちょっとほっとした。
部屋に戻って、カフェテラスで起きたことを話すとエミーとアイナは凄く驚いていたけど、相変わらずグロリアさんだけはニコニコとして変わらなかった。
この人なんでいつもこんなに落ち着いているんだろう?
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