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暖かい布団に美味しい食事。少し文化は違っても、過ごす分に望ましい。
保護された後に親が不明、記憶も不明ということで、地域の保護施設に入れられた。
鏡を見て驚いたのは言うまでもない、何せ十代の少女が映っていたのだから。
「本当にこれが?」
黒い長髪に大きい瞳、整った顔は遺伝が大きい。どこの産まれか知らないけれど、西方連合国家のどこかだろうという話だ。
ユーロ圏ということだろうってずっと思ってた、けどそれが違うって知った時に二回目の驚きだった。
何せそんな名前は聞いたことが無いって皆が口々に言うから。
じゃあここはどこなんだって話だが、聞いても知らない地方の名前だった。
「にぃ」
鏡に向かって笑ってみる、我ながら何をしているのかと情けなくなるが、これがまた可愛らしい。
そう、恐らくは可愛いと言う表現であっている。
はぁ……なんでまたこんなことに。
一部記憶を取り戻した。とても大切な部分を。それは死の間際に神に祈ったことだ、異世界で生れ変りたいと。
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