ある日、異世界転生スタート!

4/38
前へ
/669ページ
次へ
◇  暖かい布団に美味しい食事。少し文化は違っても、過ごす分に望ましい。  保護された後に親が不明、記憶も不明ということで、地域の保護施設に入れられた。  鏡を見て驚いたのは言うまでもない、何せ十代の少女が映っていたのだから。 「本当にこれが?」  黒い長髪に大きい瞳、整った顔は遺伝が大きい。どこの産まれか知らないけれど、西方連合国家のどこかだろうという話だ。  ユーロ圏ということだろうってずっと思ってた、けどそれが違うって知った時に二回目の驚きだった。  何せそんな名前は聞いたことが無いって皆が口々に言うから。  じゃあここはどこなんだって話だが、聞いても知らない地方の名前だった。 「にぃ」  鏡に向かって笑ってみる、我ながら何をしているのかと情けなくなるが、これがまた可愛らしい。  そう、恐らくは可愛いと言う表現であっている。  はぁ……なんでまたこんなことに。  一部記憶を取り戻した。とても大切な部分を。それは死の間際に神に祈ったことだ、異世界で生れ変りたいと。
/669ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1847人が本棚に入れています
本棚に追加