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さいかいは悔恨と安堵
訓練場の中央に全員が集まった、演習は終了、殊勲者の紹介だ。
「はい、注目! 第二小隊長であるあたしに見事土をつけたのは、このちっさいお子様でしたー」
左手を掴まれ無理矢理に突き上げられている、恥ずかしさはあるけど誇らしさもあった。
ざわつく、どっちもどっちで信用できない、そんな感じの雰囲気。そもそも小隊長がどうやって決められているのか、というあたりが疑問である。
特に向こう気が強い男子勢が不満を持っているように見える。
それもそうだろうさ、私がそっちの立場でも文句言いたくもなるね。
いくら術の能力で大きな差がつくにしても、頭二つも小さい子供が称賛されるのは面白くない。
そんなのを肌で感じていたのはフラウさんも同じようで、不敵な笑みを浮かべて私の手を降ろした。
「素直に受け入れられないってあるよねー、そんな君らに朗報! なんとこのフラちゃんがエクストラマッチにお誘いしちゃう」
顔を歪める程異論有りって表情をしていた三人を指名する。
「リア、一人は第一だけどいいかな?」
「ワタクシは本人の意志を尊重しますわ」
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