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ササクは手紙を懐にしまった。そしてやや首をかしげながら、王子とは反対方向へと退場する。タマゴ王子への拍手の中を縫って歩くように。背の高いライ麦の畑の中で、彼だけが道を知るように。
植え込みの後ろで盗み聞きをしていた兵士Aが、ぴょこんと顔を出す。ずるいウサギのような歯をしている。鼻を鳴らして見せるが、指摘する子供はもういない。兵士は再び植え込みの後ろに引っ込んだ。
(ここまで。お読みいただきありがとうございました!)
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