プロローグ

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そんな4時限目の授業が終わってもなお、真実は外をぼんやりと見て佇んでいた。 このとき真実は、こんな事を考えていた。 高校1年生の2学期ともなると、みんな彼氏が出来て楽しそうだな。 それなのに私だけ時が止まっているようで・・・。 このまま私はどうなって行くのか。 あたしには価値が無いのかもしれない。 興味も無い退屈な授業だった事もあり、自分自身についての価値というものを考え、また深い闇のことを考える。ノスタルジックな気分に浸っていた。 考えれば考えるほど、真実の空虚な胸は自分自信を侵食し、悲壮感にも似た苦い味がしてきた。 この様に、心が大人に成長しようとしている不安定な時期でもあった。
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