第1章 取り戻せない日常

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  毎日が日曜日。 仕事で忙殺されていた時は、休日が待ちどおしくて仕方なかった。 しかし、いざ毎日が休日となると何をして良いのか戸惑ってしまう。 只野は未だ体の調子も崩したままだったので、とにかく体を休めることに徹していた。 そのため、気づけば期限の1月まで残り数日となっていた。 未だ本調子ではない只野は、現在の状態を医師に相談し、さらに1月の休養延長の診断書を書いてもらった。 翌日、診断書を持って妻と会社へと赴いた。 もちろん、運転は妻が行っている。 今回も人事担当はすんなり診断書を受け取った。 代わりに、社会保険諸々の自己負担分、約6万の請求書を渡された。 1月間の休職でも、在籍している以上引かれるモノは引かれるのだ。 只野は振り込み用紙を受け取ると、帰りに銀行で振り込みを行った。 収入が絶たれた只野にとっては、決して安くない負担金である。 こうして只野はもう1月休職して療養する事となった。 ただ気がかりだったのは、職務規定だった。 たまたま、入社直後に社内サーバの中を覗いていた時に見つけたモノだった。 職務規定では、休職期間の限度を2ヶ月と定めてあったのだ。 つまり、只野はこれ以上休職期間の延長は出来ないのである。
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