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さて、三組目の夫婦の番になりました。二人は御前に出ると、こう話しました。
「私たちは子宝には恵まれています。そして、お互いを最高の伴侶と疑いません」
実に結構なことだと神様は言いました。
しかし夫婦は何か言いたげでした。
神様は億劫に思いつつも、では何が不満なのかと夫婦に問いました。
「夫婦生活がマンネリ気味です。新しい刺激が欲しいのです」
神様はふむと頷き、しばらく考え込む素振りを見せました。
三組の夫婦は果たしてどのような奇跡が起こされるのかと、静かに神様を見守りました。
やがて神様は彼らの願いを聞き入れ、三組の夫婦にこう提案しました。
「一組目の妻と二組目の夫は結ばれよ。残された者は、三組目の者とそれぞれ結ばれよ。それで問題は解決したものとする」
神様は自らの答えを機転の利いた良い答えだと心の中で自賛していました。
しかし神託を聞いた三組は不満げな表情になりました。彼らは出過ぎたことと覚悟しつつも、次のように抗弁しました。
「私たちはこの相手がいいのです。他の者と結ばれるなど考えられません。どうか違う形で奇跡を起こしてください」
神様は尤もなことと思いつつも、無精な性格から、機転を利かせてこう反論しました。
「民たちよ。よく覚えておくが良い。この世で不満がある場合、自分や相手を変えようとするより居場所を変える方が遥かに容易く、また万事不和なく運ぶことが多いのだ」
三組の夫婦は言いくるめられたような思いを抱えたまま、しぶしぶ神殿を去っていきました。
彼らが去った後、四組目の夫婦が現れました。彼らはある望みを聞き届けられたいと思いつつも、神様の怒りを恐れて柱の陰に隠れていたのでした。
しかし先程の神託を聞いたことで、夫婦の決心は固まったようでした。
二人は清々しい顔で御前に進み出ました。
「神様、どうか怒らずにお聞きください。私たちは改宗を考えています」
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