第6章 自分の点数を、自分で決めろ

4/4
前へ
/65ページ
次へ
僕の誕生日は6月30日だ。だから手始めに630630を13で割ってみる。 48510。余りは……ゼロだ。 次に思い浮かんだのは、麗奈ちゃんの誕生日、914。914914を早速13で割ってみる。 70378。余りは……ゼロだ。 このままだと時間がなくなる。一番小さい100でやってみる。100100を13で割ってみた。 7700。余りはやはりゼロ。 僕は窮地に立たされた。はじめから満点は諦めている。高岡先生のことだ。満点を取らせるようには問題をつくっていないはず。だから部分点を取ることを狙ったのだが、どの数字を狙ってもゼロにしかならないのだ。僕の計算用紙は余りがゼロになる割り算の計算式でいっぱいになっていた。 20分はあっという間に過ぎてチャイムが鳴った。僕の敗北が決まったゴングである。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加