第2章 眠れないのはキミのせい

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夏休みも後半に入った。ゲーム三昧の悠々自適な日々を僕は堪能した。宿題は7月のうちに全部終わらせてある。幽霊部員は時間があるのだ。 午後11時半。僕はゲームの電源を落とし、部屋の電気を消した。今日は熱帯夜だ。 午前1時 眠れない 暑いからか? いや、暑さのせいじゃない 何かが足りない 何が足りない? 頭の中のグルグルが止まらない。その中で、僕の脳内に声が聞こえた。 「部活、来なさいよ」 脳内に電撃が走った。これだ。 「部活、来なさいよ」が、足りない。 いや、麗奈ちゃんが足りない。 強烈に寂しい。 そうか。僕は「部活、来なさいよ」がなくて、強烈に寂しいんだ。 寂しさという感情が全身を枯渇させている。 嘘だろ? 僕はこのとき気づいてしまった。 麗奈ちゃんにどっぷりのめり込んでいることに。 夏休みが明けたら、夜が急に長くなった気がする。 麗奈ちゃんが声をかけてくれることも、なくなった。もっとも、部活自体が開店休業の状態だから、仕方ない。 同じクラスのはずなのに。同じ部活のはずなのに。こんなに麗奈ちゃんとの距離って遠かったっけ? 夏まではこんなことはなかったのに、気がつけばずっと麗奈ちゃんのことばかり見ているようになっていた。
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