3 悠の登校

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「悠くん、体は大丈夫ですか?」  正面にいた阿須間先生が聞く。  発情期休暇だったが、表面上は病欠になっていた。  優しく声をかけてくれた阿須間先生を、悠はジロっと睨み付ける。  先生がビクっとした。  すると、急にニコっとした。  かわいいが、作り笑いっぽくて怖い。 「ええ、大丈夫です。ご心配をおかけしました」  とても綺麗な笑顔だが、目が笑ってない。  いつも学校で見ていた、すかした悠だ……。  そこでチャイムが鳴った。  悠は綺麗な動作でカバンを横のフックにかける。  そして、気だるい表情で前を向いた。  その一連の動きが、美しかった……。  睨みつける顔とか、綺麗すぎる作り笑いとか、ハンパない。  先生はチラっと俺の方を見た。  何か訴えかけている感じがして、思わず小さくうなずいた。  阿須間先生は担任だから、悠がどうして休んだのか知っている。
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