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悠は入口のところで、フードを外した。
不機嫌そうな顔をしていたが、それが異様に綺麗だった。
ざわっとした空気が教室に広がる。
家から出るなと言ってあるのに、やっぱりロックを外して出てきていた。
でも、発情している感じはしなかった。
発情はしていないようだが、フェロモンではない、別の何かが出ているかのように美しかった。
普段の悠は、こういう感じだった。
綺麗で繊細なガラス細工のような顔をして、背は小さいけれど独特の雰囲気で周囲を魅了する。
不機嫌な悠が教室に入ってきた。
そして、何も言わずに教卓の前の自分の席に向かう。
みんなの視線もそれに伴って動く。
席まで来ると、悠は黙って座った。
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