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「んもう、多香子ったら……そうだよねえ、うちももう一人くらいって思うけど、もう体力的にきついかもー」
三人揃って、32歳だ。
「あ、これ。お下がりね」
菜摘が紙袋を差し出す。
「ありがと。助かるよー。うちももう殆ど処分してたし、あっても男の子のお下がりだし」
早速包みを開けた裕子は、ピンクやフリルを多用した服を見て笑顔になる。
もっとも理恵にしても初めての女の子とあって気合の入り方が違うようで、それまでの三人より、やたら会いに来るしその度に服だおもちゃだと買ってくる。
「何年振りの育児?」
「8年? 今、和真が8歳だから」
第三子は小学三年生だ。
「そっかあ、忘れちゃう?」
「うん、忘れる。子供は成長していくからね。その時どうしてたかとかすっかり。男と女じゃ違うし」
「そっかあ。やっぱ次は男の子がいいなあ」
「おや、菜摘さん、きついんじゃなかったの?」
「でも、やっぱ一人っ子よりは、二人くらいは居た方がいいかなとは思ってる。自然に任せようかとは言ってるんだけど」
「そうよねえ、でもやっぱ寄る年波には勝てないわよねえ」
いつからか、会う度にそんな話にはなる。
時々は三人で食事に行く。
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