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俺はライトノベルが嫌いだ。
最初から嫌いだったわけではない。
むしろ好きな部類、ファンだったと言ってもいいだろう。
小学生から中学生になり、それまでサッカークラブに所属していた俺は、学校の図書館に置かれていた「それ」に夢中になった。
『涼宮ハル○の憂鬱』。
正直面白いかと言われれば首肯しかねる部分もあったのだが、そのイラストと、文体の軽さに、異文化体験をしたような感触を得たのだと思う。
以来、並み居る出版社が陸族と出す新刊を極力あさり、自身の欲望を満たすことになる。
そもそもライトノベルって何か?
自分が好きなジャンルの定義を考えはじめたのもその頃だった。
丁度ブームが起こったばかりの俺は、高校生に進学した時分、そんな傍から見ればどうでもいいかつ不毛な議論に耽溺するようになる。
例えば、ライトノベルという「言葉」事体は古きよき遺物である二フティ・サーブの時代に生まれただとか。
ライトノベルという呼称にこだわなければ、少年少女向けのアニメ絵の表紙の書物は80年代から存在している。
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