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俺は大学生だ。 大学生のはずだ。 単位も取り揃えた、就活中の男子大学生。 昨日開いたままだったノーパソもリクナ○のサイトを懸命にあさることに使っていたことを思い出した。 そうだ。 文系のしかも法学部の卒論などあってなしが如き。 そもそも「登校」の必要性がないはずだった。 にも関わらず、俺は制服を着て、自分の足に導かれるままにどこかへと向かっている。 ……制服? いつのまにか着込んでいた制服に、今さらながら気がついた。 黒みがかった青のそれは、割合きちんとしたデザインで、冠婚葬祭にも適した風合い。 混乱が増した。 なぜ俺は制服を? 大学生だぞ? 分からないまま道を進む。 やがて人通りが増え、それが高校生らしい集団だった時に、俺は嫌な予感がした。 近づいてくる建物を見た時、俺はそれが当たってしまったことを知った。 2-2 結論から言うと、ここは確かにライトノベルの世界であるらしかった。 そもそもライトノベルとは何か? 喧々諤々、それ自体が盛んに定義されているライトノベル。 文体の軽さにそれを見る向きもあるだろうし、あるいはレーベルで決めつけてしまう輩もいるだろう。 だからここではそれが何かなんてことは考えない。     
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