1 アルファとオメガ

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 要因は、ひとつではなかったのだろう。  人間が増えたのも、減ったのも。  食糧事情や住居のことを考えれば、地球に人間は増えすぎた。  宇宙に移住する計画も考えられ、実行されたが、過酷な環境では、男性か女性、どちらかしか生存できない場所も出てきた。  はじめは、火星に移住した人間にそれが現れた。  男性でも妊娠でき、女性でも種を植えられる、新しい性の存在。  元々そういうシステムも、人間の中にあったのだろう。  ただ、必要がなかったから、淘汰された。  だから、それを進化と呼ぶのか、退化と呼ぶのかわからない。  そして時が経ち、地球でも諸々の理由で人口が減少し、火星などに行った一部の人間も帰ってきた。  その帰ってきた人間の中に、新しい性の人間も混じっていた。  彼らはどんな人間とでも交尾ができて子を成せた。  そして、ジワジワとその数を増やした。  その新しい性は、Ω(オメガ)と呼ばれるようになる。
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