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Ωが現れてから、男女の性別の他に、αとβとΩがあることがわかった。
性別が細分化された感じで、α・β・Ωに、それぞれ男女がある。
もともとはβだけだとされていた。
ところがΩが現れ、Ωが研究されるようになり、βでもΩでもないαが発見された。
発見順でいけば、β・Ω・αなのだが、能力の高さ順でα・β・Ωと名付けられた。
今ではそれが性の階級のようなものになってしまっていた。
αが全体の2割で、身体能力と学力が極めて高い。判断力や危機回避能力も高いので、リーダーになりやすく、国の機関や大企業のトップはだいたいαだ。
βはこの中で最古の性別。
潜在的にはαもΩもいたかもしれないが、昔はβしかいないとされていた。
男性が精子を女性の卵子に授精させて子を作る。
どの性別でも、これが基本だ。
αとβはこれが変化しない。
けれど、Ωはその役目を変化させ、全ての人間と交尾ができ、子を残すことができる。
子を成せるのは女性とΩ。
ただ、一時期、Ωが子を生むためだけの存在と見られた時期があった。
人口減少を食い止めるために、Ωとの交尾を推奨し、国の施設があったほどだったと言われていた。今はそんなことはないが、Ωだけにある発情期は他の性別には理解されにくく、仕事に就く時に不利になる。
一般的に、Ωは生殖のために存在していて、生殖以外の能力は低いとされている。
けれど、そうではないような気もする……。
でも、3か月おきに来る発情期には、Ωは交尾以外のことをしなくなる。
できるが望まなくなる。
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