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「あのね、夫婦をテーマにした作品に応募してみたんやけど」
ちょっと照れくさいような、ふわふわするような夫への報告。
「夫婦のふの字も、わかってないのに」
夫は、笑った。
いつものように目を細めて。
「わかるよ、夫婦は一緒にいる人のことやろ?」
ムキになる私の頭を ぽんぽんとして、そうだねって夫は 笑いをこらえてるみたいだったけど、口角がむずむずしているのがわかった。
夫婦は、いつも一緒にいる人のことでしょう?
でも、ずっとは難しいよね。仕事もあるし。
じゃあ、なんだろう。
夫婦って、なんだろう。
頭を抱える私の隣で、まだ笑いたそうな夫を見て思った。
わからんけど、笑ってくれたけん いっか
目に見えないものが よくわからない私にとって、夫の笑顔は とても嬉しくて、とてもあたたかい居場所の道しるべとなる。
夫が笑ってくれると、とてもとても嬉しい。
夫婦が何なのか、よくわからない。
でも、笑ってくれたら、そんな難しいことどうでもよくなるね。
いっぱいいっぱい笑ってて。
ずっとずっと笑わせてあげるから。
いっぱいいっぱい笑ってね。
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