社長の決意。

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『俺の本当の名は、須藤拓海。 現在、須藤グループで社長として働いています。 本当に本人なのかは、声を聴けば理解して 頂けてると思います』 『ずっと正体を隠していて申し訳かりませんでした。 俺は、社長の立場なのと 両親から跡継ぎだからと声優になる夢を反対されて 内緒でやっていました。 今は、覆面声優としてですが、ずっと夢だった 声優になれて幸せに思っています』 社長……。 社長は、自分から本名を名乗り 理由を話していた。 どうして、このような形を取ったのか 分からない。 でも社長は、堂々としていた。 『どうして、今さらながら正体を 明かしたからと言いますと、どうしても これを観て欲しい人が居るからです。 俺は、一人前になるまで父に隠し通すつもりでした。 会社にも言わずに。しかし ある女性に出会った。俺……カイの大ファンで それっぽい声を出すと耳まで真っ赤にするほどの 可愛らしい女性です。俺の秘書なんですが』 『彼女とは、本気で付き合いたいと思って アプローチをしてきました。でも それが父親にバレてしまい反対されました。 いつの間にか声優をやっていたこともバレていて 声優を辞めろとも言われました。潰すと』 悲しそうな表情で 自分の内情を打ち明ける社長。 社長……。 私のことをそんな風に考えてくれていたなんて 涙が出るほど嬉しかった。
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