鬼社長の魅惑のボイス。

社長の優しさ。

「うるさい。仕事に穴を空ける訳にはいかない」

立ち上がろうとする社長だが
ふらついていた。

私は、慌てて身体を支えた。

「お願いですから、休んで下さい」

「無理だ。まだ収録があるんだ。
ラジオだって……」

カイ様が、ラジオやアニメにたくさん
出演をしてくれるのは、嬉しい。
嬉しいけど……ボロボロになった社長は、
見たくない。

「社長……」

するとガチャッとドアが開いた。
現れたのは、会長。社長のお父さんだった。

「彼女の言う通りだ。
休む……いや、辞めるべきだな。拓海」

か、会長！？

「親父！？何でココに……」

私も驚きを隠せなかった。
どうして会長がココに現れたのだろうか。