645人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
『ですが俺は、どちらも諦めたくない。
俺は、世界中の人に俺の声を届けたい。
子供の頃に思った……皆を幸せにするような作品に
声優として関わりたい。
それに、彼女のように純粋に俺の声を素敵だと
言ってくれるような女性が必要なんです!』
『だから……お願いします。
俺に彼女と声優の仕事を守らせて下さい!!』
社長は、そう言うと深々と頭を下げた。
それは、今まで見たこともない光景だった。
鬼社長でもカイでもない。
本当の社長の姿なのかも知れない。
私は、涙を流しながら感動する。
社長は、この事を私に伝えたくて
YouTubeを観ろと言ったのだろう。
恥とかバレるのを恐れてとか
そんなことは、まったく関係なく自分の
気持ちを伝えたくて……。
私は、ノートパソコンを閉じると
急いで着替えて外に飛び出した。
向かった先は、会社。
社長に会いたい。
最初のコメントを投稿しよう!