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「あなたは、須藤グループの跡継ぎなんですよ!?」
「俺は、それが嫌だったんた!!
跡継ぎだからと言われ幼い頃から
好きなこともさせてくれない。そんな時に
今は、亡き母がこっそりと観せてくれたアニメが
俺を救ってくれた。あの感動は……今でも忘れない」
「それで俺は、声優の道を選んだ。
覆面でも……それで良かった。だが、アイツ。
愛里が現れてカイの大ファンだと気づいたら
カイでもない……本当の俺を見てほしくなった。
俺は、アイツが必要なんだ!
そのためなら……何だってやる」
社長の決意は、固いものだった。
私は、居ても立っても居られずに
ドアを開けて入っていく。
「社長……私もです!!」
叫びながら気持ちを伝えようとした。
「……愛里!?」
「私も……社長が好き。好きなんです。
三浦さんに言われて……自分が説得が出来るほどの
取り柄も財力もないからショックで
逃げて来ちゃったけど……本当は、辞めたくない。
私は、社長と一生そばに居たい」
涙を堪えながらも
必死に自分の気持ちを伝えた。
「愛里……お前……」
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